穴 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
すべての分かれ道が運命を紡いでいく
人間というのは、実に都合のいい生き物で。
自分が不幸だったり、不運だったりするすると、大抵の場合「何かのせい」にして自分を慰めることができる機能を持っているからです。
(「慰める」にとどまらず、責任転嫁してそれを周知させようとすると厄介このうえないんですけど・・・・・)
無実の罪で有罪、更生キャンプに入れられちゃった少年。
ふつー、騒ぐだろ??という状況を、仕方ないじゃん、とあくまで前向きにとらえちゃう少年があっぱれなのです。
決して、ぐれることなく淡々と日々を過ごし、従容として目の前の出来事を受け入れていくうちに、彼の運命は、彼の預かり知らぬところで、じわじわと変化していくのね~。
読者にだけ、この変化がじわじわとわかってくるという快感!
ジグゾーパズルのピースが、少しずつはまっていって、あるところから急に勢いづいて完成が見えてくる高揚感!
いたるところに張られた伏線が、見事に全部つながるんです。
ちょっとしたミステリーですよ。これ。
タイトルも、深い。
この他のタイトルは、つけらんないくらいです。
若者だけに読ませておくのはもったいないって!
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