恋する三国志 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
脳内画像がかたまったところで読みだすと、本編はもう止まらないこと必至。
もう、そうなったら人物別に読んでみたくなる、地図で読んでみたくなる・・・・・こうしてみんな「三国志」にどっぷりとはまっていくのね、とわかった次第です。
恋のドレスとつぼみの淑女 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
ドレスに「ぽっ」とこなくちゃいかんよ。な。
恋のドレスとつぼみの淑女―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
- 作者: 青木 祐子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: 文庫
なにやら乙女な表紙にどきどきしつつ・・・・。
これが、なかなか。
この店で作ったドレスを身にまとえば恋が叶う、そんなまことしやかな噂につつまれた仕立屋「薔薇色」(ローズカラーズ)。店主で唯一のテーラーのクリスは、そんな華やかな噂のドレスとは対照的な、地味で控えめな少女。彼女に舞い込んだ新しい仕事は、引きこもりの貴族のお嬢様の社交界デビューのドレス。さあ、どうするクリス。
登場人物の配置は、ま~さ~に~王道!って雰囲気の、ちょいとわけありの勝気な相棒(女子)と、依頼人の貴族の若者(美しい)。だけど、そこでありがちな暴走ラブラブモードを抑えに抑えて、こんなにストイックでいいの!?ってくらい抑えて、ゆったりと、しかもミステリー仕立てで書いているところに参りました!今後いろいろ展開はありそうですが、この本の時点では『ハウルの動く城』より抑えてあります。
コバルト文庫を手に取らなくなってン十年ですが、少女向け小説の老舗の風格を感じました。
そういえば、私の思春期の読書の始まりは、コバルト文庫だったものねえ・・・・新井素子と夢枕獏だったけど。
SPEED [ママ教師おすすめ本【中学生】]
女子だって、レヴォリューション。
『レヴォリューション№3』の勢いで、読んでしまいまして。
こちらは、環境にはまるで問題なく(父が浮気してるというのはあるが)、有名女子高ライフを送っていた「岡本さん」のお話。彼女の家庭教師をしていた女子大生が、謎の自殺。彼女の死が、平凡だった岡本佳奈子の心にさざ波をたて・・・・やがて彼女自身が嵐をおこす側に回っていく。彼女自身のレヴォリューションのために。
『№3』のメンバーが、またぞろ登場して彼女をつついていきます。
朴瞬臣は相変わらず強いし、南方くんは、やっぱり賢い。山下くんはいっつも転んでるし、で、登場は土方のあとの一服シーン。あ、今回はアギーの出番が多いです。
女子一人称の女子向け。表紙がどピンクなのもそのせい?それが平気なら、シリーズなので男子も読みましょう。ワタクシの脳内イメージでは、岡本佳奈子は鳴海璃子です
レヴォリューション№3 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
「君たちが頭悪いのは、遺伝子に原因がある。」
だけど熱い熱い、メッセージ。
ただし、思春期以上。
脳を生かす勉強法 奇跡の「強化学習」 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
ただし、ルビはほとんどありません。その辺はあしからず。
西の善き魔女 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
銃とチョコレート [ママ教師おすすめ本【中学生】]
火星年代記 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
ロケットが火星まで届くようになったアメリカ。
新たな開拓地を求めて、人々は火星へと旅立ちます。
火星探検隊、移住した人々、火星人、そしてなぜか無人になってしまった火星の街。
彼らのエピソードがオムニバスストーリーで綴られる中で、なぜなのか、繰り返し訪れるもの哀しさ。
前進あるのみ、と邁進する火星探検隊や市民のフロンティアスピリッツ。アメリカをアメリカたらしめたそれは、希望にあふれているにも関わらず、何かを置き去りにしており・・・・・・やがて火星に降り立った人々は過去を振り返り、決してあけるつもりのなかった箱をあけてしまうのです。
文明の進歩(と思われるもの)は、科学の発達は、何のためなのか。
進歩すれば、発達すれば私たちも幸せになれるのではないかという幻想は、思ったよりも強い誘惑だったりする。
だけどわたしたちは、それらが決して私たちの幸せとイコールだとは単純に思えないのだと気づき始めている。
そんなことを、つい考えてしまう話なのです。
中学当時、リリカルな言葉の連続に、うっとりしながら読んでいたけれど、何度も読むうちにSFという架空の、しかし現代の延長線上にある世界を舞台にした作品の持つ「文明を、人間を考える」パワーに、改めて気づかされたのでし。
SFはただロケットが出てきてどきどきする空想の世界じゃない、それはほんのとっかかりなんだと。
ぜひ、社会にも疑問を持ち始める思春期に、こういう話を読んでもらえたらと。
14でこの作品に出会えた自分は、幸運だったと自信をもっていえますもん。
授業では3年生に紹介しています。
★ブラッドベリの作品は、幸いにも学生時代に大学の英語の時間に原文で読む機会を得ました。英語でもきれいなんだよねえ、文が・・・・・。
高校程度の英語力で読めますので、チャレンジしてもいいかも。
でもこの文庫の翻訳も、素敵。他の翻訳が物足りなくなるくらいです。ワタシにとって、初めての大人向け翻訳作品『火星年代記』は、翻訳文学の文章の基準になりました。きっと、これもラッキー。
- こここここんなモノが!!!!
- 実は映像化されていたんです。ワタシもちょこっとだけ観た事あります。
- でもDVDになってるとわ!!
この装丁、数年前まで書店で見た新装丁。
ワタシが持ってるぼろぼろの文庫本は、やっぱり古めかしい。
何かが道をやってくる [ママ教師おすすめ本【中学生】]
秋は、何かがやってくる季節だ。
ブラッドべりです。ブラッドベリですよ!
明日はハロウィン。日本では、なにやら海外の楽しげなイベントと思われている節があります。が、この本ではそんなカタカナには惑わされません。「万聖節前夜」ですから。
死者の存在や、死というものを意識する機会になっているハロウィン。
ウィルとジムにとって、嵐のその夜は永遠に、その「13歳」にわかれを告げる儀式の始まり。
街にやってきたカーニバルとの苦闘の予感。
身をえぐられるような痛みと共に・・・魂と、人生と、存在を賭けた闘い。
中学生の頃から、なんども読んでいる本ですが、当時は「テーマ」らしきものなんて、何も考えてませんでした。ただただ、全編に流れる「雰囲気」にのまれてたのです。はじめから終わりまで、イメージの花火がぱんぱん上がってる感じ。
物語を貫く暗闇のイメージ。
その闇の中に浮かび上がる、アーケードマシンと夜のカーニバルの明かり。
葬送行進曲とともに回転する木馬。
心の奥底を映し出す鏡の部屋の鈍いきらめき・・・・・・
もしかして、永遠に朝はこないんじゃないのか?
難しいことを考える必要はないのです。
なぜ、こんなにも心をざわつかせるコトバが並んでいるのか?
この空気はなんなのか?
そんな衝撃を味わうためだけにでも、読んで損のない1冊。
ダークです。スリリングです。もうたまりません(T T)!!
この話とかなり趣は違いますが、ハロウィンついでで。
こちらの方が、やや明るいです。ハロウィンって、何?という人にもうってつけ。
ヤングアダルト向けに刊行されています。
指輪物語 [ママ教師おすすめ本【中学生】]
第1巻1ヶ月。第2巻2日。
映画が大ヒットして、一気に有名になった感があるけど、知る人ぞ知る有名ファンタジーだったんですよね。これ。
ホビットと呼ばれる小人(身長が低い・・・・くらいで、白雪姫の小人まではいかないあたりが微妙)が、ひょんなことから魔性の指輪をめぐる運命に巻き込まれていく・・・・と、あとは有名な映画のとおり。映画が3本にわたる大作であるのと同様、本編も初版のハードカバーで6冊+追補編があるほどの長編。
なかなか読む機会がないまま大人になって、ある夏、ふっと読んでみようと、学校の図書館から借りてきた第1巻。夏休みなのに読み終わるのに一月かかったですよ。なんか話が遅々として、いっこうに冒険の香りすらせず、小人たちの生活ばかりが延々と・・・・・・・・最後の方はもう、読み飛ばし状態に入ってました。
ヨーロッパでは、物語にはごく自然に織り込まれているようですが、日本にはあまりない「叙事詩」が、話の随所に配置されており、その独特な感じが苦手で読み進めないことの一因になっているように思えます。
(日本にも、和歌が織り込まれている・・・ってのはよくあるんだけど、叙事詩はいかんせん、長いから・・・)
ところがですよ、2巻から急に面白くなってくるんです、これが!!!
(『旅の仲間 下』ですね)
そうなると速いのが、この手のファンタジーの常。残りの4冊もそれぞれ1~2日で読破。ミステリーを読んでいるように、先が気になって気になって、眠るなんて気になれないです。ほぼ徹夜で出勤するような1週間がありました。
映画で見た人も、映画にはないエピソードや、見事な伏線を読むことができますから、ぜひ一読あれ。中高生のみなさんは、1巻を乗り切ればあとはジェットコースターであること、うけあいっすよ。(映画は映画であれはよかった)
一度読み終えて、そのあとノートに登場人物の「系図」書きながらもう一回読む・・・読書の醍醐味ですねえ・・・・・・・・。