SSブログ
乱読本棚 ブログトップ

月の影 影の海 [乱読本棚]

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/06
  • メディア: 文庫
知っている人には「いまさら」なんですが・・・・・・

「いまさら」読んで、一気に読んでしまいました。

作者の本で最初に読んだのが『東亰異聞』という一般書籍だったし、『屍鬼』なんかも文庫のコーナーで「怖そ~~~」ってな気分で眺めていたので、アニメでやってた「十二国記」とまるで結びついていませんでした。だけど、男子生徒も「面白い」というので気にはなっていたんです・・・。

成長譚です。主人公は女子高生です。いや、話の中ではすでに「元」女子高生。

私たちが暮らす、この世界とは軸の違うところに存在する世界。
中国っぽくて、日本の昔の世界みたいで、文字も同じようで、ちょっと違う。

違和感を集大成したような世界。十二国。

読者も、既成のイメージをそのまま使えるようで、使えない、一筋縄ではいかない世界観がたまんないです。

シリーズで、どんどん続いてるので、大人買いの一気読みでgogoですよ。

(でも、シリーズ全部読んだのに、全体として未完・・・・落ち着かない~~~!!)

 

ライトノベル装丁の本は、ちょっと躊躇する・・・という大人にも「これは”当たり”だから!」とおすすめしちゃいます。たぶん、作者の文章力がしっかりしているからだと思います。
あ、中学生にも強力におすすめ。(感想文も書ける。これなら!)


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

夜のピクニック [乱読本棚]

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫

いいなあ、高校生^^;)

高校年度末のの恒例行事、朝までひたすら80キロを歩き続ける「歩行祭」。80キロったら、あなた高速道路を車で走ったって1時間もかかる距離ですよ!

けど、そんなに長い時間歩き続けたら、心はいつしかからっぽになって、何かを考えずにはいられない。そのとき、自分は何を考えるだろうか。疲れてふらふらになったとき、頭に浮かぶのはなんだろうか。

多分、高校生の時には、そんな予想すら立てられなかったに違いない・・・
この本は、中学生には、まだちょっと早いなあ。


闇の守り人 [乱読本棚]

闇の守り人

闇の守り人

  • 作者: 二木 真希子, 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本
 
『精霊の守り人』の続編にあたります。まだの方はそちらを読んでからだとしっくりきます。
 
雇われ用心棒で、短槍の達人バルサ。幼い頃に、一国の王位継承にまつわる陰謀に巻き込まれ、運命の糸が絡まってしまった彼女。(ま、彼女は「運命ってのは、過去をなっとくするための、都合のいい解釈」と言い捨てていますが。)
過去の清算のために、生まれ故郷を訪れた彼女を「運命」は放っておいてはくれなかった。バルサは、実の父と養父に降りかかった陰謀の真実を知る。
 
前作同様、土の匂いのする重い文なのが嬉しい。
しっかし、全編を通して登場する人物が増えていてところどころでページを戻してしまったワタシ、脳年齢高すぎ???兄弟でジグロ、カグロ、ユグロ・・・・一族で50音を使い果たしたらどうなるんだろうか・・・で、誰が長男で、役職がなんだっけ?←ばか
 
ファンタジーやSFでは、もう当たり前の「ここではない別の世界」。現代社会では、それは自然の営みであったり、先祖を祀ったりする世界観にあたると思うわけです。
 ワタシが、本編で好きだったのは本編の中の人物がみな、自分たちの世界と並行して存在する「別の世界」を「敬うべきもの」「共存すべきもの」として捉えている点。お互いに支えあって存在するもの、そういう風に描かれている点。
私たち、忘れがちじゃないですか?

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

精霊の守り人 [乱読本棚]

精霊の守り人

精霊の守り人

  • 作者: 二木 真希子, 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 偕成社

 


「精霊」って出たとこで好き嫌いが二分されそうではありますが。
主人公が30歳すぎの女性というあたりが、ただの少年少女向けの話でなくて、「自分探し」中の大人、肩肘張って生きている大人にもちょっとだけ、チクチクささるかも。いや、大人のための話、だよな。

用心棒を生業とする、短槍の達人バルサ。彼女は腕を買われて、陰謀の渦中の第二皇子チャグムを守ることに。ところが、皇子は、彼を亡き者にしようとする王の刺客からだけでなく、彼に”産み付けられた”卵を狙う、異世界の生き物からも、狙われていた。

自分の運命をののしらずにはいられない皇子チャグムは、折しも思春期。葛藤しながら自分の運命と使命を縒り合わせていく。
淡々と彼にサバイバルを教え、黙々と強敵を倒していく、ハードボイルドな匂いぷんぷんのバルサもまた、チャグムの中に、運命に抗うべく戦い続けていた自分の姿をみる。そして、彼女も変わりはじめる。

児童向けファンタジーの体裁ではあるけれど、よく選ばれた言葉で地に足の着いた文とでもいうのかな、静かな雰囲気でずしりと響く。興奮だけで読み進めていく他のファンタジー(主に翻訳物・・・・文章力の差?)とちと違う。
続編があるので、ちょっと次々読んじゃいますよー。
・・・・なんて思ってるうちに、世の中ではえらいことになっててNHKが、しかもBSでアニメ化するそうな。しかもスタッフアニメ界の精鋭です。うー、見たいようなイメージとっときたいような。
→リンク★見てみる?アニメーション公式サイト

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

雨がやんだら [乱読本棚]

台風が次々にやってきますね。雨が降り続けると気分もローになっちゃいます。でも、気分だけならまだいいのかも・・・・。

この本は、雨が二日も降り続くと必ず思い出します。授業のついでに生徒にも紹介します。今年はすっかり忘れていたら、先日玄関先のサルビアの鉢に、あろうことか、キノコが生えており。(!!!!)
物体は、あるべからずところにある時、違和感を超えた恐怖を誘います。

鳥肌とともに、思い出したその本の名は、

雨がやんだら

雨がやんだら

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1987/11
  • メディア: 文庫
少しの晴れ間もなく、ひたすら雨はふりしきり、暮らしが少しずつ侵食されていくのです。
その様子を、少女が日記に書いていくのです。
友達に会えない。身近な人がいなくなる。優しい人が怖くなる。
無邪気な少女の言葉を透かして、見えてくる、浸み込む雨。

もしかして、今日の雨は永遠にやまないのかもしれない。

ぞくぞくする短編であります。

に、してもウチの鉢植えなぜキノコ!?ふつーなの!?
(あ、575)

※この記事は「暇刊女教師」に書いたものの再掲したものを編集しました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

絶対涼しくなれる本2冊 [乱読本棚]

うっかり冬に読んでしまったんです。凍ります。
これは夏にこそ読むべきなのだな。新田次郎。

芙蓉の人

芙蓉の人

  • 作者: 新田 次郎
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 1975/01
  • メディア: 文庫

ワタシが中学生のとき、富士山測候所の話は英語の教科書教材になっていました。真冬の富士山。こう書いただけでも、なにやら冷たい雰囲気になってくるではありませんか。吹雪をものともせず、厳冬の富士山頂に測候所を築き、観測を試みた夫婦の話です。

感動もさることながら・・・・・ぶるぶるっ。

聖職の碑

聖職の碑

  • 作者: 新田 次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1980/12
  • メディア: 文庫
  • こちらは、ひたひたと近づいてくる寒さ。
    小学校の遠足登山(とはいっても戦前)で、集団遭難。
  • 遭難する前から、押し寄せてくる嫌な予感の連続攻撃で、寒いことこのうえなしです。子供がたくさん遭難しちゃうので、涙もろい人はご用心を。
  • 題名だけだと、すばらしい教師の話のようなんだけど、それは個人、一場面のレベル。遭難しないように準備することがもっとあったんじゃないの?と突っ込みどころも満載なお話。

そんなに数読んでないんですが、山岳小説は夏に読むのがいいのかな。
寒くなれる山岳小説あれば教えてください。
よく覚えてないのですが『八甲田山死の彷徨』も、かなり寒かった記憶があります。これもまた、新田次郎。

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:
乱読本棚 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。